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2025.06.04
【完全解説】ゼロトラストセキュリティとは?最新の対策と導入メリット

目次
- 1.ゼロトラストセキュリティとは?
- 2.ゼロトラストが求められる背景
- 3.ゼロトラストの主要な要素
- 4.ゼロトラスト導入のメリット
- 5.ゼロトラスト導入の課題と対策
- 6.まとめ
1. ゼロトラストセキュリティとは?
近年、サイバー攻撃が高度化・巧妙化する中で、従来の境界防御型のセキュリティモデルでは十分に対策できなくなってきました。そこで注目されているのが「ゼロトラストセキュリティ」という考え方です。
ゼロトラストの基本概念
ゼロトラスト(Zero Trust)とは、「何も信頼しない(Never Trust, Always Verify)」という考え方に基づいた最新のセキュリティモデルです。従来の「社内ネットワークは安全である」という前提を捨て、すべてのアクセスを検証し、最小限の権限を与えることで、サイバーリスクを低減します。
このモデルでは、ネットワークの内外を問わず、すべてのアクセスを厳格に管理し、データやシステムを保護します。そのため、ユーザー認証やデバイスの状態確認、通信の監視といった要素が重要になります。
2. ゼロトラストが求められる背景
ゼロトラストが注目される理由には、以下のような背景があります。
- 1.クラウドサービスの普及 企業のデータやアプリケーションがクラウド上に移行することで、従来の「社内=安全」という概念が通用しなくなりました。
- 2.リモートワークの増加 自宅や外出先からのアクセスが増え、従来の境界防御型セキュリティでは十分な防御が難しくなっています。
- 3.サイバー攻撃の高度化 フィッシング攻撃やランサムウェア、内部不正など、攻撃手法が高度化しており、ネットワーク内の脅威を前提とした対策が必要です。
- 4.ゼロデイ攻撃の増加 既知の脆弱性を狙った攻撃だけでなく、新たに発見された脆弱性を突くゼロデイ攻撃が増加しており、事前の対策が難しくなっています。
3. ゼロトラストの主要な要素
ゼロトラストセキュリティを実現するためには、以下のような要素が重要です。
- 1.ID・アクセス管理(IAM)
- ・ ユーザーごとに厳格な認証を行い、多要素認証(MFA)を採用する。
- ・ アクセス制御を最小権限の原則(Least Privilege)に基づいて設定する。
- 2.デバイスのセキュリティ確保
- ・ エンドポイントのセキュリティ対策を強化し、最新のパッチ適用を徹底する。
- ・ 企業が認可したデバイスのみアクセスを許可する。
- 3.ネットワークの監視と制御
- ・ ゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)を導入し、VPNに頼らない安全な接続を確立する。
- ・ 通信の暗号化とトラフィックの継続的な監視を行う。
- 4.マイクロセグメンテーション
- ・ ネットワークを細かく分割し、必要最小限のアクセスのみを許可する。
- ・ 一部のセグメントが侵害されても、他のシステムへの影響を最小限に抑える。
- 5.継続的な監視と分析
- ・ ユーザーやデバイスの行動を常に監視し、異常なアクセスや挙動を検出する。
- ・ AIや機械学習を活用し、リアルタイムで脅威を検出・対応する。
4. ゼロトラスト導入のメリット
ゼロトラストを導入することで、以下のようなメリットが期待できます。
- 1.セキュリティリスクの低減
- 内部・外部の脅威を問わず、アクセス制御を厳格化することでリスクを低減できる。
- 2.データ漏洩の防止
- アクセスの最小権限化や継続的な監視により、データ漏洩のリスクを抑えられる。
- 3.リモートワークの安全確保
- 社内外を問わず、安全なアクセス環境を整備できる。
- 4.コンプライアンス対応の強化
- 監査ログの管理やアクセス制御の厳格化により、規制要件を満たしやすくなる。
5.ゼロトラスト導入の課題と対策
ゼロトラスト導入にはいくつかの課題もあります。
- 1.コストと運用負担の増加
- ・ 多要素認証やセキュリティ監視ツールの導入にはコストがかかる。
- ・ 対策としては、段階的な導入やクラウドサービスの活用を検討する。
- 2.ユーザーの利便性低下
- ・ 厳格な認証が求められるため、ログインの手間が増える。
- ・ シングルサインオン(SSO)の導入や、利便性とセキュリティのバランスを取る仕組みが必要。
- 3.既存システムとの統合
- ・ 既存のIT環境とゼロトラストを統合するには技術的な課題がある。
- ・ クラウドベースのゼロトラストソリューションを活用することでスムーズな移行が可能。
6.まとめ
ゼロトラストセキュリティは、「すべてを信頼しない」という原則のもと、強固なセキュリティ対策を実現する最新のモデルです。クラウドの普及やリモートワークの増加に伴い、従来の境界防御型セキュリティでは対応しきれない課題が増えているため、今後さらに重要性が高まると考えられます。
導入にあたっては、ID管理やアクセス制御、監視の強化など、段階的に取り組むことが効果的です。ゼロトラストを実現することで、企業のセキュリティを強化し、安心してビジネスを展開できる環境を構築することができます。
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